「VANLIFE」という新しいモビリティの形で社会を変える
【採択企業インタビューVol.2】
Carstay株式会社/2020.8.13

東京発のスタートアップであるCarstayは、自治体協業の原案を胸に、2020年3月からスタートしたNEXs Tokyoの第一期支援プログラムに参加しました。今回は、白山市と金沢工業大学との連携で企画担当として尽力されている谷中理矩さんに、プログラムに参加されたきっかけ、ハンズオン支援の感想や今後の展望についてお伺いしました。
※新型コロナ感染防止のため、インタビューはオンラインで実施しております。掲載記事の写真は、後日NEXs Tokyo施設で撮影したものに挿し変わる予定です。ご了承ください。

Carstay株式会社

代表取締役:宮下 晃樹 所在地:〒160-0022東京都新宿区新宿5-15-14 INBOUND LEAGUE 301号 事業内容:「Stay Anywhere, Anytime」をミッションに掲げ、車を通じた新しい旅する暮らしのプラットフォーム「VANLIFE(バンライフ)」の開発・提供 URL:https://carstay.jp/ja

VANLIFE(バンライフ)は、キャンピングカー・バンなどの車を、移動できる「家」と考え、旅・仕事・生活を行う、新たなライフスタイルです。

VANLIFEを、楽しむ。いつでも、どこでも、自由に滞在できる。VANLIFEを通じて、あなただけの物語を。

Carstay事業コンセプト

 

モバイルハウス
車を通じた新しい旅する暮らし「VANLIFE(バンライフ)」

Carstayを形成する3つのプロダクトを紹介

― Carstayが提供する「VANLIFE」という新しいモビリティのカタチ。一体どんな事業を行っているのでしょうか。

Carstayは、主に車中泊仕様の車をシェアする・車中泊できる場所を見つける・地方や都会ならではのアクティビティを提供するという3つの事業で成り立っています。 具体的にサービスの説明しますね。1つ目の“車をシェアする”は、「バンシェア」。主にキャンピングカー・バンに乗りたい「ドライバー」と乗らない時にシェアしたい「ホルダー」をつなぐカーシェアサービスです。2つ目の“車中泊できる場所を見つける”は、「カーステイ」。車中泊する駐車場を探している「ゲスト」と、車中泊できる駐車場と空き地をシェアしたい「ホスト」をつなぐスペースシェアサービスです。そして3つ目の“アクティビティを提供する”も「カーステイ」で、地方や車中泊スポットがある地域ならではの文化体験を提供する取り組みです。 また、これらのサービスを実体験して情報発信するメディア「VANLIFE JAPAN」もあります。「VANLIFE」に興味のある方々向けに、バンライファ―が車中泊のハウツーやおすすめスポットを紹介するWebメディアです。

社会に存在する「移動」という”壁”を「VANLIFE」で乗り越える

― なるほど、バンという一つのツールを通じて、新たなモビリティの形を提案するということでしょうか。

その通りですね。私たちの生活は、移動に基づいています。しかし、インタビュアーの方も普段の生活の中で感じていると思われますが、旅行、仕事、日常生活等様々な場面で「移動」による障壁が存在しています。 具体的にどのような課題か、旅行を例に考えてみますね。旅行だと、例えばとある温泉観光地に行くとします。遠くに行くにしても、近くに行くにしても、必ずバスや電車、飛行機等の交通手段を検討することになります。でも、たいていの温泉地は山奥にあって移動手段が限られています。これが、いわゆる一次・二次交通の問題ですね。また、秘境と呼ばれる温泉地は、宿泊環境も限られている場合もあります。 そんな「移動」に係るさまざまな課題を、私たちCarstayメンバーは、「VANLIFE」を取り入れることで、解決しようと考えています。

― 確かに、旅行ひとつ取ってみても、移動による課題は数多くありますね。

はい、しかも現在は新型コロナの影響で移動が大きく制限されています。「3密」を避けつつ、地域の観光地での滞在時間や消費の増加、二次交通、宿泊環境、そして地域全体を巻き込んだ活性化を、「VANLIFE」で実現できると考えています! 私たちが思い描く「VANLIFE」を実現する第一歩として、NEXs Tokyo事業創出プログラムに応募しました。

NEXs Tokyoを活用して自治体協業という原案を実現させたい

― タイミングよく募集があったということなんですね!では、JUMPコース採択企業として、事業創出プログラム当初の期待感はいかがでしたか。

そうですね…去る7月20日にプレスリリースを出させていただきましたが、白山市と金沢工業大学と「Local Vanlife Project in Hakusan」という事業を、プログラムを通じて推し進めていけたらいいなと目論んでいました。(笑) 採択される前から、既に原案は出来ていて、あとはどうやって実現に向けて加速していくか、まさにアクセラレーションを求めていたんです。今回の採択をきっかけに、私は企画担当として現地での実証実験のプロジェクトを進めていきたいと計画していました。

― 採択前から原案はあったのですね。白山市や金沢工業大学とは、既に面識があったということなのでしょうか。

今回の件でいうと、金沢工業大学とは、以前から面識があるメンバーがいたので、やってみようという話になり、運良くNEXs Tokyoのプログラム募集があったということです。

新型コロナの影響で問題が山積。その状況で一番の支えは、”地元の方々”

― 素敵なメンバーが揃っているのですね。実際に自治体や大学との提携を実施してみての課題はありましたか。

そうですね。プログラム開始の3月時点では、新型コロナがここまで拡大することを想定していなかったので、当初予定していた現地に赴いて行政や大学の職員の方、バン製作に参加する大学生の方々と直接現場でコミュニケーションをとりながらプロジェクトに取り組むことができなかったのは、大変苦労した点であり、とても残念でした。 また、3密対策やマスク・消毒の徹底など、新型コロナの影響で当初よりも現地での作業工程が増えてしまったことも課題としてあります。 加えて、大学との連携が難しい状況に陥ったことも痛手でした。先に申し上げたように、大学生との現地でのバン製作を考えていたのですが、大学の通常授業やゼミ活動が自粛となり、バン製作やワークショップも先延ばしになるなど、問題が山積していました。私個人の想いなのですが、「VANLIFE」自体が「場所や時間を選ばない」であるにしても、その選ばない状況を実現してくれるバンは、やっぱり実際に製作過程を見てもらって、愛着を持ってもらったり、サイズ感を確かめてもらったりした方が、私たちが目指す世界観に合っているんじゃないかと思っています。 ただ、そういった状況の中で、一番支えとなったのは、地元の方々でした。地元の事業者や市民の方々が私たちの活動に賛同してくださり、色んな人を巻き込む手助けをしてくださいました。

NEXsアクセラレーターによる繋ぎこみや連携が事業をさらに加速させた

― 厳しい状況の中、さまざまな方々と一緒にやっと踏み出したプロジェクトなのですね。

そうですね。さまざまな方々を巻き込む際に、NEXs Tokyoのプログラムの一つであるアクセラレータ―の方にもかなり動いていただきました。 主に、白山市と金沢工業大学との繋ぎこみや連携面で動いていただき、両者と私たちの間に立ってくださいました。 私自身、アクセラレータ―の方と活動するプログラムに参加したことはなく、どうなるのかと考えていました。結果的にとても助けていただき、5カ月間本当に長く伴走していただきました。 今回の石川県のプロジェクトでは、繋ぎこみや連携を中心に支援していただくとともに、当事者意識を持って関わってくれました。また先方とのコミュニケーションに困った際は、落としどころを作ってくださることもありました。 また、2週間ごとの定例では程よい距離感で意思決定は私たちに委ねつつ、困ったときにアドバイスをくださりました。加えて、日々のコミュニケーションもチャットで行ってくださったので、緊急時にも不安になることはなく事業を前進させることが出来ました。私たちにとって、大きな止まり木のような存在でした。

ニーズの高まりへの期待、そして、いつでもどこでも車中泊できるような条例・法整備等をしていきたい

― アクセラレーターとのつよい信頼関係の下で、プログラムを走り切ったのですね。最後に、今後のCarstayの展望をお聞かせください。

はい。白山市と金沢工業大学とのプロジェクトは、まだ始まったばかりです。また、先ほど申し上げた課題の他に、各工程での人員不足やマネタイズに向けた資金の課題もあります。本年度の秋から冬にかけて本格的に始動する予定ですが、この事業を完遂させることで、今後の自治体協業の足掛かりとしていきたいと考えています。 これから、新たな時代において、東京から地方へと移動するためのベースとして「VANLIFE」のニーズが高まると考えています。私たちの「VANLIFE」を実現させるためには、仮眠程度の車中泊以上に、どのような状況下だろうと「道の駅」で自由に車中泊できるようになるといった条例・法律等の整備など、国単位でアプローチすべき課題もあります。そういった場面で、Carstayが予約から課金システムまで提供できるプラットフォーマーとしてお役に立てることが多々あるかと思っています。 「Carstay」の先にMaaSの拡大、自動運転の実装など、新たなモビリティの可能性を全国のスタートアップとの交流を通じて実現できることを楽しみにしています。